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【ご報告】 総会併催行事<情報交換の広場>開催
ブランディング活動の成功事例を聞く

環境保護印刷推進協議会では、6月29日(木)午後に開催した平成29年度定時総会に先がけ、「事例や実績などの情報交換、語り合う、聞く広場」と銘打った併催行事をおこないました。

「クリオネマークを環境保護印刷の“アイコトバ”に!!」をサブタイトルに掲げたこの日のイベントには会員ら約50名が参加、受発注関係の“絆”を強めていくうえできわめて有意義なひとときとなりました。

2017年度 総会併催行事 情報交換の広場
最初に、印刷メディアが本来的に有するエコ効果を、印刷発注者の方々に理解していただく目的で当協議会が作成した提案営業ツール『印刷物は環境にやさしいメディアです』に関し、事務局から趣旨を説明しました。ついで、環境貢献を柱としたブランディング活動によって顧客満足度を高めてほしいと作成した小冊子『ブランディング2』を題材に、先進的な実践企業の成功事例を学びました。

『印刷物は環境にやさしいメディアです』の説明では、発注に際して理解していただきたい7つの視点のうち、エコ効果に関する国内外の専門機関の“証言”および森林管理と再生紙の問題を意識的に取り上げ、①紙には環境にやさしいというストーリーがある、②電子メディアは必ずしもサステナブルではない、③古紙100%の再生紙にはムリがある、④間伐材を活用する印刷用紙は資源を育てる資材である――など幾つかのポイントを紹介しました。

続く『ブランディング2』をめぐっては、東京・北区に本社を置く奥村印刷㈱(当協議会正会員)が取り組んできた成果について、同社出身の小野克巳氏(当協議会前理事)から紹介していただきました。ブランディングの展開により環境価値をいかにビジネス価値に高めるか、クリオネマークを有効に使って差別化営業を推進し、いかに企業としての社会的責任を果たすかについて、大きな示唆を得ることができました。

本書に掲載されている切り口(各項目)を補足するかたちで話していただいた主な内容は、以下のとおりでした。

<文責編集部>

  • クリオネマーク取得の話を顧客にすると「他の印刷会社と違いますね」と、また、受注した印刷物にクリオネマークを掲載することで「社会的責任を果たしているんですね」と喜んでもらえる。印刷物を手にしたエンドユーザーからも「御社はまさに環境を重視した経営方針なんですね」と、顧客が褒められる。「これからは絶対にクリオネマークを外さないでほしい」と、地方の営業マンから本社の印刷発注担当者まで連絡が入るそうだ。こうして、それぞれの顧客と当社の関係が深まっていった。
  • 環境重視を掲げる当社が「差別化提案型の営業ができます」と謳うことで、他社にはない安定したコミュニケーションづくりが可能になった。いったんクリオネマークを入れると外せなくなるので、必ず継続受注となる。掲載されている有名企業の印刷物を見せれば、すぐにでも新規受注を獲得できた。新しい物件の印刷物にも「クリオネマークをお願いします」と提案している。大変ありがたいことに、対発注者とのコミュニケーションづくりがすごく楽しいものになっている。
  • クリオネマークのほかにもさまざまな認証マークを取得しており、印刷業界のなかでもかなりレベルの高い品質の印刷物を、つねに顧客に提供し続けることができている。時代にあった環境保護の考え方を中心に、顧客に喜ばれる印刷物を届け続けることで、つねに顧客満足を得ることができた。
    ・まず重要なのは、職場の作業規定とマニュアルづくりだ。品質向上のための意識づけの教育と伝達、レベルアップできる完璧な体制づくり、営業と現場の協力関係の確立が必要になる。このような社内の環境づくりと同時に、差別化した営業力、他社に負けない高品質の印刷物、そしてクリオネマークの掲載によって、ほとんどの受注案件は見積りなしの仕事だった。実際に受注価格は思いどおりにできていた。
  • 顧客と一体感をもった最大の信頼関係を築くためには「お客さまはどんなことに困っているのか?」に気を配るとともに、必ず提案型営業をすることが大切である。そうすることで「他の印刷会社より積極的だね」と信頼をいただけると思う。印刷営業マン自らがコーディネーターになれば、顧客から高く評価されるはずである。そんな積極的な営業姿勢は工場全体にも伝わっていくので、顧客からの厳しい要求にも即座に反応できる。全社員の自信にもつながり好循環となる。
更新日:2017年7月3日