Information/News

Information

Report
【ご報告】ブランディング活動の成功事例を紹介
―札幌市で開催されたHOPE2017セミナーに参画―

環境保護印刷推進協議会では、9月1日(金)、2日(土)の両日、札幌市白石区にある「アクセスサッポロ」で開かれた北海道プリントエキスポ『HOPE2017』(HOPE実行委員会主催)に参加、併催セミナーの一講座として「私たちは“環境”にこだわる“理由”があります」と題したクリオネ特別セミナーを2日目の2日午後に開催しました。今回はとくに、当協議会からも理事および協賛会員の有志が出席し、事業内容ならびにクリオネマーク認証制度の趣旨を説明するとともに、入会を呼び掛けました。

HOPE2017セミナー

この活動は、当協議会が平成29年度事業計画の主要項目として掲げたクリオネマークのブランド強化のなかに、「企業ブランド向上の支援」(全国キャラバン展開/小冊子『ブランディング』シリーズの活用等)とあるのを受けて推進したものです。6月の定時総会併催行事、7月のSOPTEC2017(仙台市)で同様のテーマで勉強会をおこなっていて、第三弾に当たる今回も全く同じ形式で実施しました。

最初に、印刷メディアが本来的に有するエコ効果を、印刷発注者の方々に理解していただく目的で当協議会が作成した提案営業ツール『印刷物は環境にやさしいメディアです』を参考資料に、事務局から趣旨を説明しました。

WGスタッフから説明。発注に際して理解していただきたい7つの視点のうち、エコ効果に関する国内外の専門機関の“証言”および森林管理と再生紙の問題を意識的に取り上げ、①紙には環境にやさしいというストーリーがある、②電子メディアは必ずしもサステナブルではない、③古紙100%の再生紙にはムリがある、④間伐材を活用する印刷用紙は資源を育てる資材である――など幾つかのポイントを紹介。そうした趣旨を印刷会社の立場から顧客サイドに積極的に訴えてほしい旨を参加者の方々にお願いしました。

ついで、環境貢献を柱としたブランディング活動によって顧客満足度を高めてほしいと作成した小冊子『ブランディング2』を題材に、先進的な実践企業の成功事例を披露しました。東京・北区に本社を置く奥村印刷㈱(当協議会正会員)が取り組んできた成果について、本書に掲載してある切り口(各項目)を踏まえながら、同社出身のWGアドバイザー小野克巳氏(当協議会元理事)から説明。ブランディングの展開により環境価値をいかにビジネス価値に高めるか、クリオネマークを有効に使って企業としての社会的責任をいかに果たすかについて、一通り紹介することができました。

そのなかではとくに「環境貢献を柱とするブランディング活動を通じて、印刷会社としての企業ブランドが築ければ、顧客の信頼度が高まって差別化営業が可能になり、しかも強い“絆”によって継続した受発注関係が約束される」ことを強調しました。

なお、その日の夕刻、地元の印刷関係者と交流のひと時をもち、情報交換するとともに、当協議会への入会も合わせて要請しました。

『HOPE2017』セミナーで説明した内容の骨子は以下のとおりです。

  • クリオネマーク取得の話を顧客にすると「他の印刷会社と違いますね」と、また、受注した印刷物にクリオネマークを掲載することで「社会的責任を果たしているんですね」と喜んでもらえる。印刷物を手にしたエンドユーザーからも「御社はまさに環境を重視した経営方針なんですね」と、顧客が褒められる。「これからは絶対にクリオネマークを外さないでほしい」と、地方の営業マンから本社の印刷発注担当者まで連絡が入るそうだ。こうして、それぞれの顧客と当社の関係が深まっていった。
  • 環境重視を掲げる当社が「差別化提案型の営業ができます」と謳うことで、他社にはない安定したコミュニケーションづくりが可能になった。いったんクリオネマークを入れると外せなくなるので、必ず継続受注となる。掲載されている有名企業の印刷物を見せれば、すぐにでも新規受注を獲得できた。新しい物件の印刷物にも「クリオネマークをお願いします」と提案している。大変ありがたいことに、対発注者とのコミュニケーションづくりがすごく楽しいものになっている。
  • クリオネマークのほかにもさまざまな認証マークを取得しており、印刷業界のなかでもかなりレベルの高い品質の印刷物を、つねに顧客に提供し続けることができている。時代にあった環境保護の考え方を中心に、顧客に喜ばれる印刷物を届け続けることで、つねに顧客満足を得ることができた。
  • まず重要なのは、職場の作業規定とマニュアルづくりだ。品質向上のための意識づけの教育と伝達、レベルアップできる完璧な体制づくり、営業と現場の協力関係の確立が必要になる。このような社内の環境づくりと同時に、差別化した営業力、他社に負けない高品質の印刷物、そしてクリオネマークの掲載によって、ほとんどの受注案件は見積りなしの仕事だった。実際に受注価格は思いどおりにできていた。
  • 顧客と一体感をもった最大の信頼関係を築くためには「お客さまはどんなことに困っているのか?」に気を配るとともに、必ず提案型営業をすることが大切である。そうすることで「他の印刷会社より積極的だね」と信頼をいただけると思う。印刷営業マン自らがコーディネーターになれば、顧客から高く評価されるはずである。そんな積極的な営業姿勢は工場全体にも伝わっていくので、顧客からの厳しい要求にも即座に反応できる。全社員の自信にもつながり好循環となる。
更新日:2017年9月7日